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中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて
今日は、2月5日中国産冷凍餃子から検出されたジクロルボスについて解説いたします。
ジクロルボス(dichlorvos)は、メタミドホスと同じく有機リン化合物の殺虫剤です。
日本では、メタミドホスのように使用できない物質ではなく、原体は劇物として毒物及び劇物取締法、製剤は薬事法の劇薬に指定されており、農業用は農薬取締法により扱いなどが規定されている物質です。
我々のように食品衛生の指導的立場の人間は、主に食品工場内の害虫駆除用の薬剤として使用している事例が頭に浮かびます。
具体的には、揮散(蒸散)性が高く、残効性は低いため樹脂へ含浸させた蒸散型の殺虫剤などの衛生害虫用殺虫剤成分として用いられています。
万一、体内に取り込んでしまった場合には、その吸引量により異なりますが、メタミドホスなどの有機リン化合物と同様、倦怠感・頭痛・吐き気・腹痛・下痢などの症状があらわれ、重度の場合には死に至る可能性もあります。このような症状が起きた場合には、ただちに医師の診断を受けてください。